ウイスキー好きの皆様が絶対に行きたい聖地といえばスコットランドだと思います。スコットランドでウイスキー蒸留所巡りは夢でしょう。実際に行った方もこれから行く方も行きたい方も蒸留所をたくさん巡っているうちに気づくことがあります。
ウイスキーボトル買いすぎた!
ほとんどすべての方が夢の国に来たテンションでボトルを買い漁ると思います。そして気づいたら相当数のボトルがあることでしょう。ただでさえ旅行で財布の紐が緩みがちなのにウイスキーラバーに取手の夢の国ならばなおさら。
今回はそんなスコットランドに来てウイスキーボトルを買いすぎてしまった方必見!ウイスキーを日本へ持ち帰る方法と注意点、そしてスコットランドから日本へウイスキーボトルを送る方法をご紹介していきます。
世界2周した元バックパッカーで現社会人パッカーが旅人目線で有名な情報からローカルな情報までお話します。これでウイスキーだけでなくジンやワインなど海外でお酒を買いすぎた場合も大丈夫です!
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海外からお酒を日本へ持ち込む方法
まずは日本へお酒を日本へ持ち帰るには基本的に方法は2つです。
- スーツケースに詰め込んで日本へ飛行機で持ち帰る
- 海外から日本へ送る
これらについてお話していきます。もちろんウイスキーを大量に買ってしまった方はこの2つ方法両方使って日本を持ち帰ることでしょう。
それではそれぞれ詳しくお話していきます。
まずは知ろう!海外から日本へのお酒持ち込み基本情報
まずは海外から日本へお酒を持ち込むときの注意点を知っていないとお話になりません。少し長くなりますがここは理解しておきましょう。日本へアルコールつまりお酒を持ち込むとすれば
- 旅行先で買う
- 免税店で買う
の2種類が考えられます。基本的に飛行機へは液体を持ち込めないため旅行先で買った場合はスーツケースに詰め込むか日本へ送るという形になります。ただ荷物が終わった後の免税店でお酒を買った場合は飛行機へ持ち込みができます。
ただ乗り継ぎがあった場合はSTEBs処理といって開封できないように密封処理を買ったお店でして貰う必要があります。それを開けなければ乗り継ぎでも飛行機への持ち込みは可能です。必ず乗り継ぎがある場合はSTEBs処理をしてもらいましょう。
免税店で買ったお酒を日本へ持ち帰る場合のポイント
免税店で買ったお酒を飛行機乗り継ぎで日本へ持ち帰る場合は必ず「STEBs処理」をしてもらい、日本へ帰るまで開けない
日本へ「飛行機」で持ち帰れるお酒の量は決まっている
次にお酒の量です。実は日本へ持ち帰ることができるお酒の量は細かく決まりがあります。簡単に言うと
- 税金がかからないのは2280mlまで(1本700mlだと3本まで)
- 日本というより航空会社によって預け荷物でもお酒の量の限度が決まっている(ANAは5Lまで)
となっています。
まずはお酒が3本まで免税というのは有名な話なので知っている方も多いと思います。ただボトルによってお酒の入っている量は違うので2280mlまでと覚えておいてもいいかもしれません。ただそれを越えた分はどうなるのでしょうか。実は意外に安くて
お酒の種類 | 税率 |
ウイスキー・ブランデー | 800円/L |
ラム・ジン・ウォッカ | 500円/L |
リキュール | 400円/L |
焼酎 | 300円/L |
ワイン・ビール・その他 | 200円/L |
となります。なので手荷物・預け荷物のお酒の種類と量で計算しましょう。もちろん免税を超える場合は日本に帰ってきた時「税関申告書」にしっかり書きましょう。ちなみにお酒を持ち帰るのが未成年の場合は免税を受けられず最初の1本から税金を支払う必要があります。
航空会社によって実は1人が飛行機で日本へ持ち帰れる量が決まっています。これは飛行機の問題で税関は関係ありません。ANAだと手荷物・預け荷物合わせて5Lまでです。各航空会社を調べましょうと言いたいところですが、面倒な方は基本5L以下であれば大丈夫かと思います。(保証はしません)
飛行機で日本で持ち帰る注意点
- 2880mlまでは免税、それ以上でも意外に税金は安い
- とりあえず飛行機で運ぶお酒の量は5L以下にしておこう
スコットランドから日本へウイスキーを運送会社で配送する場合
さて上のパートで日本へ持ち帰ることができるお酒の量は5Lまでということはお話しました。ただウイスキーラバーの方はそんな量で満足はできないでしょう。またこれからお話する話はウイスキーやスコットランドに限らずヨーロッパ全域でワインなどのお酒にも当てはまるかと思います。
海外から日本へアルコールを配送する方法は以下になります。
- 国際郵便EMSで送る(ウイスキー不可)
- DHLで日本へ送る
- 欧州ヤマトを使う
- その他配送方法
というものになります。それではそれぞれ簡単に説明していきます。ただEMSでウイスキーは送れませんのでその点は要注意。
国際郵便EMSで日本へ荷物を配送
まず海外から日本へ配送すると聞いて真っ先にEMSを思いつく方はたくさんいるでしょう。EMSはアルコール度数24°以下であれば配送可能です。つまりワインは可能ですが、ウイスキーは送れません。
その場合は荷物を持ってPOST OFFICEに向かいましょう。ウイスキーではありませんが僕も何度かEMSを使って日本に送ったことがあります。梱包材をくれたり、買えたり、梱包してくれたりするので比較的初めてでも簡単に送れます。
ただお酒の場合は自分で出来るだけ梱包して置いたほうがいいでしょう。
DHLを使ってヨーロッパからお酒を日本へ送る
基本的にお酒の場合はDHLを使って日本に送るのが一般的です。DHLにはDHL EXPRESSとDHL UK Parcelというものがありますが、国際便はExpress(エクスプレス)の方を使います。
大きな都市には大体日本でコンビニからヤマト運輸が送れるように、DHLの荷物を受け取って手配してくれるお店(DHLサービスポイント)がいくつかあります。とりあえずDHLとググってスマホのGPSをオンにしておくと近くのDHLの拠点を教えてくれます。ただたまに潰れてたりすでにやめていたりすることもあります。
大本のDHL配送センターもありますが大体街の郊外にあるので行くのが大変ですが、配送センターであれば梱包材などもそこで買えるというメリットがあります。DHLサービスポイントの場合はどこまでできるかわかりません。僕がグラスゴーで送ったサービスポイントは梱包材もダンボールも販売していたためボトルを持っていくだけで送れました。一応グラスゴーでの僕が使ったサービスポイントはここ
ここはプリント屋だったためダンボールやガムテープ、FRAGILEテープ、梱包材などすべて揃いました。ちなみに上の蓋はテープで止めてはいけません。パカッと開く状態にします。
DHLで送る場合のポイント
DHLで日本へ配送する際に気をつけるポイントがあります。
- ボトル名をメモ
- ボトルの値段をメモ
- ボトルのアルコール度数をメモ
- DHLの人に「FOR PERSONAL USE」と書類(インボイス)に書いてもらう
となります。
まずはボトル名と値段・アルコール度数ですが、DHLの人に言われたのはボトル名と値段だけでした。なのでこちらをメモしておくのは必須です。そのメモをみてDHLの方が以下のような書類を作りインボイスとして使います。
ただアルコール度数は日本へ帰ってきたときにDHLから電話があり「すべてのボトルのアルコール度数を教えろ」とかかってきました。初めて聞いた話で用意もしてなかったため梱包を開けることを了承しアルコール度数をボトルから読み取ってもらいました。ですのでアルコール度数もインボイスに書いてもらったほうがいいかもしれません。
For Personal Useというのは個人で消費するためで売り物として仕入れたのではないという証明になります。これがないと関税で長いこと引っ掛かり面倒という話も聞きますので、必ず書いてもらいましょう。
送る際にはスコットランドの住所が必要です。その場合はホテルの住所などを書いておけば大丈夫です。もし何かあった場合のためにホテルの人に住所を使わせてもらって問題があった場合Eメールをくれるように頼んでもいいかもしれませんが、多分そこまでしなくても大丈夫だと思います。(保証はしません)
とにかくそれで無事に届きました。
欧州ヤマト運輸を使って荷物を日本へ
日本では誰もが知る配送業者であるヤマト運輸のヨーロッパバージョンが欧州ヤマト運輸です。正確にはヤマト運輸と提携があるヨーロッパの配送会社が配送をしてくれます。欧州ヤマト便を使うメリットは
- 日本語でやり取りがEメールでできる
- 荷物を集荷に来てくれる
- 梱包材なども買うことができる
- 日本の企業で安心感がある
といったものです。やはり日本の企業と提携をしていて日本語でやり取りをできるのは非常に助かります。使い方としては欧州ヤマト運輸のHPから集荷申込みをして荷物が梱包してあるなら集荷、してないならまずは梱包材(有料)を届けてもらうことができます。
ただデメリットがあります。それは
- DHLに比べて値段が高い
- 申込みが詳細で面倒くさい
- 梱包材を頼んだ場合ある程度日程が必要な場合がある
というもの。まずは値段を一旦置いておいて申込み。これは事詳細に書いて申請する必要があるのでDHLなどのサービスポイントに持っていくだけとは大違いです。DHLも荷物の詳細をメモする必要がありますのでトントンとも言えますが。
次に梱包材ですが、僕は梱包材を届けてもらって次に日に集荷をお願いしましたが、梱包材を届けるのに1週間かかるとのことで危うく集荷のほうが早く来てしまうところでした。しかも確認のEメールでサラッと書いてあるだけでツッコミの返信しないとキャンセル料も当日だとかかるため大変なことになっていました。予め梱包が済んでいる場合はともかく梱包材も頼む場合は梱包材が来るのが遅い可能性は十分にあります。
DHLとの料金の比較
グラスゴーから送る場合基本料金が
運賃一箱297ポンド+追加料金50ポンド+国際燃油・通貨変動特別不可運賃
というもの。つまり347ポンド+燃油サーチャージ(このときは運賃の18%で53.47ポンド)がかかった値段が送料でさらに日本へ着いて関税も払う必要があります。僕は上でもインボイスを乗せていますが8本のウイスキーを結局DHLで日本へ送りました。その時の料金と比較すると関税は本数が同じなので変わらないとすると
DHL | 欧州ヤマト運輸 | |
送料(ポンド) | 153.29(荷物保証含む) | 400.47 |
関税(円) | 14400 | 14400 |
合計(当時為替で円) | 39847 | 80879 |
まぁどちらもかなりの高額ですが、DHLのほうが断然お得です。というか結果DHLで送ったものの今、日本円に直して見て金額を知り激しく後悔が押し寄せてきました。買いすぎた。
DHLのほうが荷物を送る場合は断然お得ですが、やはり日本語でやり取りができることや単身赴任等の場合のヨーロッパから日本へ引っ越しなどの場合は便利な欧州ヤマト運輸。使い方は他にありそうです。
その他の配送方法
スコットランドへ行く前にウイスキーを日本へ送ることに関して情報が少なすぎて調べに調べた結果、他にも日本へ送ったという方法や自分で街を歩き日本へ配送する方法をそれぞれ調査しました。それを場所別にお話していきます。
キャンベルタウンから日本へウイスキーボトルを送る
世界中で大人気の蒸溜所・スプリングバンク蒸留所があるキャンベルタウン。スプリングバンクは今やオフィシャルの定番ボトルでさえどこでも品切れ状態でほとんど買えないので蒸留所で買いだめする方もいらっしゃるかと思います。
キャンベルタウンへグラスゴーからきてグラスゴーへすぐ帰る人はグラスゴーでDHLで送る方法もありますが、実はキャンベルタウンからも日本へ送る方法があります。それは
ケイデンヘッドから送る
です。ただこれには条件があって
ケイデンヘッドで買ったもの、あるいはスプリングバンク蒸留所で買ったもののみ
しか配送してくれません。つまりグレンスコシア蒸留所で買ったものや他のウイスキーショップ・蒸留所で買ったものは配送できません。グレンガイル蒸留所はショップがスプリングバンクになるので可能です。ただグラスゴーからDHLで送るよりも送料が安かったということもあり条件が合えばこちらから送るのが一番オトクです。いくらか比較すると
- グラスゴーから日本へDHLで日本へ送った際はボトル8本で送料138.95ポンド
- ケイデンヘッドから日本へ配送(DHL)12本しかも2箱で103ポンド
本数はケイデンヘッドから送ったほうが多いのに値段は安く、更にこれは3本まで税金がかからないとお店の方が言っていたからかもしれませんが関税も安かったです。
ちなみにぐるぐるに梱包したボトルは全部剥がされて梱包され直してました。梱包材はここで送る場合は使わなくてもよくてボトルだけ持っていけば大丈夫です。またはこの中もきれいに整頓されていてさすがにプロの仕事でした。
送料も関税も安くなるのでスプリングバンク蒸留所で買ったものはケイデンヘッドから日本へ送りましょう。
アイラ島から日本へウイスキーを送る方法はあるのか
アイラ島には現在9つ蒸留所があり、もうすぐポートエレン蒸留所も復活するとのことでウイスキーラバーの方はアイラ島に滞在するだけでどんどんボトルが増えていきます。だから荷物を軽くしたいので日本へ送りたい方はいるかも知れません。結果から言うと
アイラ島から日本へ送る方法はなし、あるいは見つからなかった
という感じでした。アイラ島でボトルが増えることはわかっていたので色々探した結果一つ可能性を見つけたのがB.Mundellという配送会社。昔のブログでここから日本へ送ったという記録を見つけましたが、実際に僕がアイラ島のB.Mudellへメールを送り質問したところ
”今はそのサービスはやっていない”
という答えでした。ですので昔はやっていたのでしょう。「アイラ島 DHL」でググってもB.mundell社が出てくるので期待しましたが難しいようです。今回僕が止まった宿はできませんでしたが、もしかしたらちゃんとしているホテルであれば日本へ配送できるか聞いてみるのもいいかもしれません。
他にもアイラ島で宿のオーナーやインフォメーションに聞いてみましたがやはり確実な方法は見つかりませんでした。
日本へ運ぶウイスキーボトルのパッキングと準備
最後に日本へ持って買えるウイスキーボトルの梱包についてです。ポイントは
- 日本からガムテープ・プチプチ・カッターは持っていった方がいい
- ボトルの底とネックは要注意
- 気圧の変化で栓が飛ぶ可能性もあるのでパラフィルムも必要?
といったところです。簡単に説明して行きます。
梱包材はもちろんスコットランドでも買えます。ただそこでお金を使う必要もなく、ボトルをいっぱい持ち帰るために行きのスーツケースはスカスカでしょう。そこにプチプチや布ガムテープを入れて持っていきましょう。
ボトルの底とネックは衝撃が伝わりやすく脆い場所です。配送用ダンボールに入れる際も下の緩衝材を入れて底のケアを出来るだけ意識しましょう。ネックも細い分衝撃に弱いのでプチプチを余計に巻きましょう。スーツケースに入れる場合はもし割れたときのためプチプチで梱包した上にビニール袋に入れて液体がもれないようにしておくといいです。服やタオルもうまく緩衝材として使いましょう。
ツイッターでよく見ますが、ヨーロッパから買ったボトルが栓が空いていて中身がない状態で届いたというもの。ハンドフィルボトルのような栓にシールを貼ってあるだけのものでなく、オフィシャルボトルの栓をキャップシールで囲ってあるものでさえ飛んでいることがあるようです。僕はしなくても大丈夫でしたが心配であればパラフィルムを一応持っていってもいいかもしれません(保証はしません)
DHLで自分で送った場合は上のケイデンヘッドで送ったように瓶ごとにセルを作れなかったためプラの緩衝材を瓶と瓶の間に詰めました。またDHLのダンボールは底が薄いので有名なので底をまずガムテープで補強し、更にダンボールの内側もプチプチを敷いて囲いました。そしてFragileシールも購入しダンボールに貼りました。
やりすぎなような気もしますが、少しの金額をケチって高いボトルが割れて届いたら元も子もありません。ちなみにこれで無事に届きました。
まとめ
さて今回はスコットランドからウイスキーを日本へ配送する方法をまとめました。スコットランドだけでなく他の場所からも荷物を送る場合にも使える情報だと思います。
海外からお酒を日本へ送る場合はDHLがやはり便利です。もしショップから日本へ遅れる場合は一緒に送れるのであれば自分の手持ちも一緒に送りましょう。自分で手配をするより安い場合があります。
欧州ヤマト運輸は日本語が使えるのがとても便利ですがすこし高いです。
梱包はやりすぎるくらいでちょうどいいかもしれません。梱包材などは日本から出来るだけ用意して行きましょう。
そして日本へ持ち込む際は飛行機に運べる量や日本へ持ち込める免税範囲などをしっかりと把握して置きましょう。ただ免税分を超えても対して高くないのでしっかりと関税報告をして税金を払いましょう。
稀に海外で買って日本に送るより日本でメルカリなどで買ったほうが合計金額が安いこともあります。そこらへんはよくチェックしておきましょう。
スコットランド蒸留所巡りのポイントはこちらの記事へ